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年金対話集会に参加したら“攻めのキャリア設計”が見えてきた!

2024.12.11

現代女性の働き方と年金について考える

11月6日(水)、人間社会学部社会福祉学科の2年次の選択科目「家族福祉政策論」で、厚生労働省年金局の方を招いて「年金対話集会」が行われました。「年金対話集会」は、年金制度を理解し自身の年金について一緒に考えることを目的として、厚生労働省年金局が2019年度より各大学で実施しているプログラムです。
年金局の政策策定担当者と直接議論し、意見をぶつけることで得られる実践的な学びから学生たちが何を感じたのかお伝えします。

女性がライフプランを描く大切さ

「年金対話集会」は講義と座談会の2部制で行われます。社会保険労務士で、株式会社ウェルスプラン代表の佐藤 麻衣子(さとう まいこ)さんを講師に迎えた第1部の講義では、佐藤さんがこれまで会社員、専業主婦、そして起業家と多様なキャリアを積み重ねてきた経験を交えて、「働き方と社会保障の関係性」についてお話いただきました。

「昔の時代の女性たちと比べ、私たちはより自由な選択肢を持って働き続けることができるようになりました。そして、長く働き続けるほど、自分に合った資産形成が可能となります。ぜひ、自分のこれからのキャリアを考えるときに、ライフプランを描けるようになってください」。(佐藤さん)

講義では、結婚や出産、介護など、ライフステージの変化に伴って働き方を変えることで、社会保障の適用内容が変化し、それによって生じるリスクなどにも触れられました。また、将来の年金金額を具体的にイメージすることに役立つ「公的年金シミュレーター」の活用方法も紹介。実際に学生たちと一緒にシミュレーションも行い、働き方と年金をセットで考えることの重要性について学びました。

「漠然とした老後への不安を抱え“いくら貯めればいいのか”と思案するだけでなく、年金を具体的に試算して現状を“見える化”することで、自分が思い描く老後を過ごすためには、どのペースで資産を積み立てるべきかを見極めることできます。それがわかれば、ただ守りに入るのではなく、目標に向けて新しい挑戦へ踏み出す“攻めの人生”に転じることができます。若いうちにお金を使ってでもかけがえのない貴重な経験をすることも、より豊かな人生を送ることにつながるのではないでしょうか」。(佐藤さん)

資産形成は決して老後のためだけのものではなく、自分らしい生き方をデザインするための土台であり、適切な人生設計をすることで、未来への可能性を広げる大切さを知る貴重な機会となりました。

年金局の方との意見交換会

第2部では、3つのグループに分かれ、各グループに年金局の方に入っていただき、意見交換会が行われました。海外で働くと年金はどうなるのか?年金だけでは生活が難しく生活保護を受ける高齢者に対する提言などの質問に対して、年金局の方が「鋭い質問ですね!」と驚かれる場面もありました。世界的にも女性の年金額の低さは大きな問題になっていること、iDeCoやNISAの活用が重要であること、さらに就職先を選ぶ際には、求人情報をすみずみまで確認する重要性など実用的なアドバイスも含めて意見交換がされました。

受講後のアンケートでは、以下のような学生の声が寄せられました。

「年金についてどこか他人事に感じていましたが、実際にシミュレーターを使うことで自分事として考えることができました。就職活動が始まっている今、将来の年金のことも頭に入れつつ、福利厚生などを考えながら慎重にリサーチするべきだと思いました」

「年金対話集会に参加して、年金のイメージが変わりました。年金だけでの生活は難しいという声がありますが、制度にはさまざまなものがあるということが分かったので、制度を学ぶことによって、自分自身の将来を安心したものにできるのではないかと感じます。また時代の背景も関係していることから、多様性と言われる現代では自分の将来を自分で設計する力が必要であると強く思いました」

「今まで好きなことを仕事にするということは、金銭面で考えると難しいのかなと思っていました。しかし、今回の講義を受けて、長く働けば退職金もそれだけ多くもらえると知り、自分に合った職や好きなものを仕事にすることで、長く働き続けるのも1つの方法だと思いました」

今回の「年金対話集会」を通じて、学生たちは年金制度の仕組みを学ぶだけでなく、自分の将来について具体的に考える重要性を実感しました。働き方やライフプラン、資産形成の考え方を見直すきっかけとなり、これからの人生設計に向けて多くのヒントを得る場となったようです。
こうした実践的な学びは、学生が社会に出た後も役立つ知識や視点を養う、貴重な機会となります。本学では、これからも学生一人ひとりが自らの未来を切り拓いていけるよう、多様な学びの場を提供していきます。