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【学生インタビュー】理学部数物科学科 2年  五十嵐 美沙さん

2022.03.03

【学生インタビュー】理学部数物科学科 2年  五十嵐 美沙さん

「第 2 回 HAPPY WOMAN CONTEST」優秀賞 (次世代部門)受賞

「女性のエンパワーメント推進と社会活性化」「SDGs(持続可能な開発目標)推進」を目指して活動する HAPPY WOMAN 実行委員会(事務局:一般社団法人 HAPPY WOMAN)が主催で、文化芸術によるウェルビーイング、ジェンダーバランスの向上や次世代アーティストの発掘を目的とした「第2回 HAPPY WOMAN CONTEST」にて、次世代部門優秀賞を受賞した五十嵐 美沙(いがらし みさ)さんにお話をうかがいました。

■コンペティション概要

イベント名:第 2 回 HAPPY WOMAN CONTEST
開催目的:クリエイティブの力でジェンダー平等の社会実現に貢献
① 文化芸術によるウェルビーイング向上
② 文化芸術におけるジェンダーバランスの向上
③ 次代文化を創造する新進芸術家の発掘?育成
募集期間:2021 年 10 月 18 日(月)? 2021 年 12 月 10 日(金)
結果発表?オンライン表彰式:2021年12月17日(金)
制作テーマ:「HAPPY WOMAN」をテーマに、あなたが考える「幸せな女性」を表現したアート、デザイン、写真作品。キーカラーとして幸せの黄色「HAPPY YELLOW??」を取り入れて制作する。
その他:入賞作品は2022年 3 月 8 日(火)開催予定の『国際女性デー|HAPPY WOMAN FESTA 2022』にて紹介される予定

——— この度は次世代部門優秀賞の受賞、おめでとうございます!

ありがとうございます!私は幼稚園生の頃から独学で絵を描いていて、小学生の頃から芸術家になりたいと思っていました。
このように公に表彰されたのは初めてだったので、ようやく日の目を見た感じがしました。これまでは、自分の内面を表現することが多かったのですが、対外的な主張を表現したものが、世の中に受け入れられたということが嬉しかったです。

——— 言葉から嬉しさが伝わってきます。応募されたきっかけを教えていただけますか。

最近アート繋がりの友人やコミュニティができました。武蔵野美術大学に通う附属中学時代の友人の勧めで、いくつかのデッサン会に行くようになりました。その中で知り合った方が教えてくださいました。コンペの開催目的にある、ウェルビーイング向上やジェンダーバランスの向上というテーマが、私も当事者であるように感じて直感的に応募しました。公募のコンテストに応募したのは初めてでした。

——— 五十嵐さんの作品は、とても色鮮やかでアヴァンギャルドな印象を受けました。
制作のエピソードをお話しいただけますか。


制作は構想を含めて3日です!

——— えっ!? 3 日で!?

そうです(笑)。構想に 1 日半、描くのに1日半の 3 日です。Adobe Fresco を使ったオールデジタルの作品です。コロナ禍になってデジタルツールで描き始めたので、まだデジタル歴は 2 年未満ですね。

——— そうなんですね。とても印象に残る力強い絵ですね。
今回のテーマである、あなたが考える「幸せな女性」とはどのような女性像として表現しましたか。


私が考えた「幸せな女性」とは、豊かな知恵と強い意志を基盤に、前例や女性というジェンダーに対する世間のイメージにとらわれず、好奇心の赴くままに独創的かつ革新的な人生をパワフルに歩む女性です。
りんごは知恵を表していて、カラフルな色遣いはレインボーフラッグの元祖 8 色を用いて、多様な生き方を表現しました。
五十嵐さんの受賞作品「Sol」
——— そのような女性が「幸せな女性」だと考えるきっかけとなった、憧れの人物や理想の生き方はありますか。

私の母が着物のリメイクをして販売するといった、感性を生かした仕事をしていたことに影響を受けました。
アーティストとしては椎名林檎さんに憧れています。母でもありながらアーティストとしての活動にもこだわりやプライドを感じます。
また「プラダを着た悪魔」という映画が好きで、女性という個性を生かした美を大切にしつつも、性別の枠にとらわれない力強い生き方をしている登場人物たちをかっこいいと感じました。私は常々、性別を意識したくないと考えています。迷った時は、自分がやりたいことをやる方を選び、チャレンジすることにしています。
新しいことにチャレンジする方は輝いていると思いますし、性別にこだわらずいろいろな生き方があっていいと思っています。
絵を描く五十嵐さん
五十嵐さんの作品:左「L01」 右「魅惑の華実」
(聞き手:広報課)(聞き手:広報課)嵐さんが理学部 数物科学科(2022年4月「数物情報科学科」に学科名変更)を選ばれた理由は何でしょうか。

一つは、自分に理系の科目が合っていたことです。数学、物理学、情報科学が好きです。とくに 2 年次は 3 年次のコース選択を踏まえて、情報科学の授業を多く履修出来たことが楽しかったです。もう一つは、システムエンジニアやデータサイエンティストという職業に興味があったからです。
私は附属高校から日本女子大学なのですが、当時試した適職診断で「データサイエンティスト」という結果が出てから気になる職業になったんです。自分も分析が好きなので向いているかなと思いました。

——— 確かに面白そうな職業ですよね。では五十嵐さんにとって日本女子大学はどんなところでしょうか。

私は個性の集まる場所だと感じています。また、自分がどんどん磨かれていき、自分とは何なのかを突き詰められる場所でもあります。
中学校まで共学校を経験した中で、異性がいることで、自分の意見よりも人にどう思われるかを優先してしまう空気がありました。女子校という環境では、そのような意識を持つことなく自分を突き詰められると感じました。
ある意味での静寂な空間で、粛々と自分を高められる。そのようなところに女子校?女子大学で学ぶ意義があるのではないかと思っています。

——— 将来の夢や目指していることはありますか。

私は卒業後も理系の職業に就きながら、アートを続けていきたいです。私にとってアートは生きていくうえで必要なものです。
でもそのまま芸術家一本でいきたい!というよりは、しっかり仕事に就き生活基盤を作りながら、創作活動をしていきたいですね。アートにはお金も必要ですから(笑)。理系だからなのか、合理的な考え方は持っていると思います。

——— 理想と現実をバランス良く考えられているのですね。今どのような分野に興味がありますか。

NFT(非代替性トークン)アートに興味があります。デジタルアートはコピーされたり改ざんされたりするリスクがありましたが、NFT により唯一無二の価値を保証できるようになったことで、興味が湧きました。関連する技術としてブロックチェーンにも興味を持っています。
外部になりますが美術サークル、エンジニアサークルにも所属しています。

——— テクノロジーと融合することでアートの域も広がっているのですね。
大学で学んでいることを、これからの人生にどのように生かしていきたいですか。


何かがというより、全部です。大学で学んだことはこれからずっと役に立つと思っています。とくに情報科目で学んだことは、生かしていくというより私たちの日常生活の基盤になっていくのではないでしょうか。

——— 貴重なお話を聞かせていただき、ありがとうございました。

非常に力強く幸せな女性像を語ってくださった五十嵐さん。今後の学生生活や就職だけでなく、アート活動にも注目です。
 
(聞き手:広報課)